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ツイッターとYoutubeから見たハヌカ・ハイライト2017.1.6

あけましておめでとうございます。
イスラエルでは年末年始ムードはほぼゼロでしたが、元日の日没とともにハヌカも終わり子供たちもハヌカの休暇から学校に戻るなどこちらも「通常運転」に戻りました。さて、前回 はハヌカの背景や風習についてお話ししました。今回はイスラエルを中心にハヌカが実際どのように祝われたかについて写真と一緒に紹介したいと思います。

まずはこちらの写真。

ベニヤミン・ネタニヤフ公式ツイッター」より

ハヌカ前日の12月23日に入植地を違法とする国連安保理事会の決議案が採択されていました。その2日後にネタニヤフ首相は嘆きの壁でハヌキヤへの点灯式を行ったのですが、自身の公式アカウントに写真をアップし「国連の決議を踏まえて、ハヌカ2日目の火を灯すのに西壁以上に最適な場所はなかった」とコメントを発表しました。

ハヌカの間、ハヌキヤへの点灯の様子をツイッターに投稿したのはネタニヤフ首相だけではありません。大統領を務めるルーベン・リブリンもハヌカの8日間イスラエル各地を巡り、ハヌキヤの点灯を行いました。その中で最も印象的だったのが、世界的にも有名なイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団創設80周年コンサートで行われたハヌキヤへの点灯です。


まず大統領が司式者として祝福をし、ハヌキヤに点灯。そしてハヌカを代表する讃美歌「マーオーズ・ツール(意:岩の上の砦)」を観客と一緒に合唱し、その後はオーケストラによって同曲が演奏されています。
オーケストラが奏でる重厚なハヌカの曲もなかなか素敵ですが、実はこの映像で最も豪華なのがこの日の指揮者を務めた巨匠、ズービン・メータでした。クラシック好きな方はご存知かも知れませんが、彼はウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを5度指揮したり初の三大テノール・コンサートを指揮したりと、まさに現代の巨匠。2011年春には震災で多くのコンサートがキャンセルとされたなか来日し、NHK交響楽団を指揮しニュースにもなりました。
そんなマエストロがなぜイスラエル・フィルを指揮しているのでしょうか。あまり知られていませんがメータ自身が親イスラエル主義者だったため、半世紀以上前からイスラエル・フィルを何度も指揮し、81年には終身音楽監督に任命されたようです。80歳となった現在も世界中を演奏旅行で飛び回りながら、イスラエルでも積極的に活動しているそうです。

ハヌカ中、政治家たちだけでなくイスラエル国防軍でもハヌカ関連のツイートが多く見られました。

国防軍公式ツイッター(ヘブライ語)」より

これはヘブライ語のイスラエル国防軍公式ツイッターです。現在はハヌカも終わって右側のような通常のトップページに戻っていますが、元日までの8日間は左のようにハヌキヤとスフガニヤをあしらったハヌカ仕様のエンブレムになっていました。

またハヌカ中の8日間、何度かハヌキヤに光を灯す兵士たちの写真が投稿されていました。

ハヌカを祝う若い国防軍の兵士たち

IDF公式ツイッター(英語)」より

左側がハヌカ初日のハヌキヤ点灯を行う民間防衛軍の女性兵士です。イスラエルの民間防衛軍と日本にはあまり知られていない関係があります。2011年の東日本大震災では20を超える支援チームが海外から被災地を訪れたのですが、最初にチームを派遣したのがイスラエルでした。その時に派遣された特別支援チームとは、医師たちで構成される医療部隊と写真の彼女が所属する民間防衛軍の合同部隊でした。
右側の写真はうってかわって哨戒艇でハヌキヤを準備する海軍兵たちの写真。国防軍の中(陸・空・海)の中で海軍は最も小規模ではありますが、建国時から白い礼装という伝統が続いておりイスラエリーの間では「軍服(=礼装)が最も格好良い軍隊」として知られています。写真の彼らは南部アシュドドでガザ沿岸での任務に就く部隊です。

さてここまではイスラエルでのハヌカの様子を紹介しましたが、もちろんイスラエル以外の場所でもハヌカは祝われていました。過去のコラムではイヴァンカ・トランプの夫がユダヤ人で結婚前にイヴァンカがユダヤ教に改宗したことをお話ししました。ハヌカの期間中、彼女のツイッターでは一家でハヌキヤに火を灯してハヌカを祝う様子が何度かアップされており、父ドナルド・トランプ次期大統領も12月24日のハヌカ初日に「ハッピー・ハヌカ」の投稿をしていました。

イヴァンカドナルド・トランプ公式ツイッターより

このハヌカに関するトランプ一家のツイッターがアメリカを中心にちょっとした騒動になっていました。
トランプ氏はその過激・排他的発言から保守的なキリスト教層やネオ・ナチなど人種差別的な人口層を強力な支持基盤としています。選挙戦中のある演説でトランプ氏は「メリー・クリスマス」に代わり、他宗教に対する配慮から「良い祝日を(Happy Holidays)」という挨拶が一般化しているアメリカの現状に苦言を呈し、「オバマは『良い祝日を』と8年間言ってきたが、私は恥じる事無くどこでも『メリー・クリスマス』と言う」と発言、メリー・クリスマスを復活させるという公約を打ち出していました。そんななか実際に12月24日になると愛娘はクリスマスではなく(ユダヤ教なので)ハヌカを祝い、トランプ自身も「メリー・クリスマス」のツイートをする前に「ハッピー・ハヌカ」の投稿をしました。
これに対して保守的・人種差別的なトランプの熱狂的支持者たちから、公約と違うではないかと批判を浴びています。就任前にして支持者離れが早くも懸念されているトランプですが、ネオ・ナチや反ユダヤの支持層を抱えながら一家にユダヤ人がいるというねじれた状況のなか、就任後はさらに難しいかじ取りを迫られそうです。


今回はイスラエルとトランプ一家を中心にクリスマスと同時期にあったハヌカという祭りが実際どのように祝われていたのかを紹介しました。さてユダヤ人にとって次の祭りは3月初めにあるプリムと言われる仮装の習慣がある祭り。また時期が近づけばバラガン・コラムでプリムの紹介をしたいと思っています。


「バラガン」とはごちゃごちゃや散らかったという意味のイスラエルで最もポピュラーなスラングです。ここでは現地在住7年のシオンとの架け橋スタッフが、様々な分野での最新イスラエル・トピックをお届けします。



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