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バラガン・コラム-イスラエルあれこれ 他の記事一覧はこちら

イスラエルの70周年を1年1ニュースで振り返る― 2018.4.17

イスラエル独立宣言― 1948年

Wikimedia より)


さてイスラエルは来週の水曜日の日没、70度目の独立記念日を迎えます。現地では様々なメディアで、イスラエル70年の歴史を振り返る特集が組まれています。という事でここバラガンコラムでも、1948年から去年までを1年に1つ計50のニュースで(少しマニアックなものもありますが)振り返ってみました。


1948年:5月14日に初代ベングリオン首相が独立宣言。翌日、エジプト・イラク・シリア・ヨルダンが侵攻し、1年間続く独立戦争が勃発。

1949年:約5万人のユダヤ人がイエメンより救出されイスラエルへ帰還。(マジックカーペット/ワシの翼作戦)

1950年:ユダヤ人スポーツ選手が参加する国際競技会、第3回「マカビア」が建国後初めて開催される。(第1回は英国領時代の1932年)

1951年:2年間で約13万人のユダヤ人がイラクからイスラエルへと帰還。(エズラ・ネヘミヤ作戦)

1952年:前年イスラエルオリンピック委員会の設立がIOCによって認められたことを受け、ヘルシンキ夏季五輪に初めて出場する。

最初のオリンピック選手団。ユニホームは当時なかった― 1952年

he.wikipedia.org より)


1953年:国民栄誉賞に相当し、学術や文化芸術などの各分野で活躍したイスラエル人に与えられる「イスラエル賞」が創設される。

1954年:ネゲブ砂漠にてイスラエルで初めての本格的な映画が撮影される。「Hill 24 Doesn't Answer」という中東戦争を題材にしたものだった。

1955年:現在ほぼ全世帯に普及している太陽熱温水器が、設置され始める。

1956年:イスラエル酪農委員会が創設、国内の酪農業が本格化。現在イスラエルは乳牛1頭当たりの牛乳生産量世界1位を誇る、隠れた酪農大国になっている。

1957年:エルサレム、テル・アビブ、ハイファ間で電話サービスが開始される。

1958年:現在独立記念日の恒例行事にもなっている「世界聖書クイズ」の第1回目がエルサレムで開催される。

1959年:イスラエル初の地下鉄(地下ケーブルカー)、カルメリートが開通。全長1.8キロ、6駅と世界で最も小さな地下鉄のシステム。

1960年:アウシュヴィッツ収容所の所長を務めホロコーストに関与したアドルフ・アイヒマンがモサドによって拘束される。

1961年:国営航空会社エル・アルがテル・アビブとニューヨークの直行便の運航を開始。当時、世界最長の直行フライトだった。

1962年:紀元前1世紀、ヘロデ王によって建てられた要塞マサダの発掘が始まる。断続的にではあるがマサダの発掘は未だ続いている。

1963年:ヘブライ大学の教授ラファエル・メコーラムがマリファナの化学構造を解明。教授はマリファナ研究の父と呼ばれ、イスラエルは現在も医療用大麻の研究・普及では世界最先端を進んでいる。

1964年:イスラエルで国民的なスナック菓子として不動の地位を築いている、ピーナッツバター味の「バンバ」が発売される。

1965年:死海写本で有名なイスラエル博物館がエルサレムにオープン。

1966年:長年のアラブ諸国からの圧力もあったが、ついにコカ・コーラがイスラエルで販売される。

Cola 1966

blog.nli.org.ilg より)


1967年:6日間戦争で、エルサレムの旧市街をイスラエルが奪還。

1968年:イスラエルでテレビ放映が開始。最初の番組はイスラエル建国20周年の軍事パレードだった。

1969年:ゴルダ・メイールが首相に就任、イスラエル初の女性首相に。

1970年:サッカー・ワールドカップにイスラエル代表がアジア・オセアニア代表として出場、当時はアジアとオセアニアで1枠だった。

1971年:この年、イスラエルへ帰還したユダヤ人が300万人を突破。

1972年:ミュンヘン・オリンピック開催中、イスラエル選手団11人がパレスチナ武装組織によって殺害される(ミュンヘン五輪事件)。その後イスラエルは報復作戦「神の怒り作戦」を行った。

1973年:初代首相を務めたダビッド・ベングリオンが死去。

1974年:リチャード・ニクソンが米大統領として初めてイスラエルを訪問。

1975年:イスラエルが自国生産した戦闘機クフィールの運用が開始される。イスラエルでは退役しているが、コロンビアやスリランカの空軍では現在も運用されている。

1976年:ミス・イスラエル、リナ・モールがイスラエル人としては初めてのミス・ユニバースに。(2018年現在、唯一のイスラエル人ミス・ユニバース)

イスラエル人初のミス・ユニバース、リナ・モール― 1976年

xnet.ynet.co.il より)


1977年:バスケットボールチームのマカビー・テル・アビブが欧州チャンピオンズカップで初優勝。同チームは現在でも欧州屈指の強豪チームで、欧州王者に計5度輝いている。

1978年:ユーロビジョン・ソング・コンテストでイスラエル代表のイズハル・コーヘンが初優勝。

1979年:エジプト・イスラエル平和条約が締結され、エジプトがアラブ国家として初めてイスラエルを承認する。中東は混乱に陥り現地紙では「アルマゲドン」と報道された。

1980年:イギリス委任統治時代のリラ(ポンド)に代わり、古代イスラエルで使用された通貨単位「シェケル」が復活。(現在は85年から導入された『ニュー・シェケル』が使用されている)

1981年:イスラエル空軍がイラクが開発していた原子炉を爆破。パイロットの中には後に宇宙飛行士となった、イラン・ラモーンが最年少パイロットとして参加していた。

1982年:エジプト・イスラエル平和条約に基づき、6日間戦争で占領したシナイ半島からイスラエルが撤退。シナイ半島に移住していたユダヤ人住民と撤退を指揮する軍との衝突が各地で起こった。

シナイ半島からの撤退、抵抗する住民たち― 1982年

maariv.co.il より)


1983年:ゴラン高原ワイナリーが創業、以降イスラエルのワイン産業を牽引する。2014年には日本国内のコストコでイスラエルワインの販売が開始した。

1984年:モーセ作戦により約7000人のエチオピア系ユダヤ人がイスラエルへ帰還する。当時はエチオピアとイスラエルとの間に国交がなかったため、数千人のユダヤ人が隣国のスーダンまで歩きそこからイスラエルへと帰還した。

1985年:最南端のリゾート地エイラートが自由貿易地域に。現在エイラートは世界有数のダイビングの聖地としても知られている。

1986年:イスラエル南部アラバ砂漠で最先端の点滴灌漑が始まり、以降イスラエルは農業大国に。現在アラバ砂漠でとれる野菜が、イスラエルが輸出する野菜の6割を占めている。

1987年:国内初の心臓移植手術が行われる。また第1次インティファーダが勃発したのもこの年だった。

1988年:イスラエル国防軍が初めての大規模な人道支援として、大地震のあったアルメニアに国際緊急援助隊を派遣。

1989年:旧ソ連からの帰還者の波。この年から約15年で100万人以上がアリヤをしたと言われている。現在旧ソ連からの帰還者とその子供たちは、イスラエル総人口の4分の1を占めている。

1990年:元国防軍の軍医を務めた医師が、簡単に圧迫止血のできる包帯「エマージェンシー・バンテージ(別名イスラエル・バンテージ)」を開発。以降NATOやアメリカ軍によって導入・使用されている。

1991年:乳幼児の突然死(SIDS)を防ぐため、乳児用ベッドに敷くセンサーパッド「Babysense Monitor」がイスラエルの会社によって開発され、欧米を中心に大ヒット。

1992年:バルセロナ五輪にて女性柔道家2人が、銀・銅2つのメダルを獲得。

1993年:ファイアウォール・VPNを扱い日本にも進出しているチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズが設立。またこの年はアラブ系イスラエル人夫妻が「アルファ・オメガ」を設立し、数年で大企業になるなどハイテク面でも世界の注目を浴び始めた。

1994年:クリントン大統領の仲介のもと、ホワイト・ハウスでイスラエル・ヨルダン平和条約が締結される。これ以降、ペトラ・アカバなどがイスラエル人に人気の観光スポットに。

1995年:2年前にアラファト議長とのオスロ合意に調印したイツハク・ラビン首相が、極右ユダヤ教原理主義者の大学生イガル・アミルに暗殺される。以降和平への動きは停滞。

1996年:イスラエル工科大学(テクニオン)の教授ムーサ・ユーディムがパーキンソン病やアルツハイマー病疾患の治療に有効である薬品のアジレクト(ラサジリン)を発明。2014年に武田薬品がイスラエルのテバ社から導入した。

1997年:エイラットに同国初の逆浸透膜式・海水淡水化プラントが建設される。現在は国内の水消費量の約7割が淡水化された水であり、水関連産業の輸出額は年22億ドルと「水の超大国」になっている。

1998年:イスラエル国防軍の研究機関ラファエルで発明されたカプセル内視鏡が、販売会社ギブン・イメージングにより実用化。2002年には日本法人も設立された。

内視鏡とUSBメモリもイスラエルによる発明― 1998・2000年

maariv . co.il より)


1999年:自動ブレーキ用センサーなどの高度運転支援システムを開発するモービルアイがヘブライ大のアムノン・シャアシュア教授などによって設立される。2017年にインテルが153億ドル(1兆7500億円)で買収。

2000年:イスラエルのハイテク企業「M-Systems」がUSBフラッシュメモリを発表。2006年に同社はサンディスクによって16億ドルで買収された。

2001年:海外への人道支援を目的としたNGO「IsraAID」が設立される。2018年現在、IsraAIDはギリシャ、アメリカ、ネパール、ケニヤ、ヨルダン、日本など被災した計46か国に医療チームなどを派遣している。

2002年:プロスペクト理論や行動経済学で知られる心理学者ダニエル・カーネマンが、ノーベル経済学賞を受賞。

2003年:コロンビア号空中分解事故により宇宙飛行士イラン・ラモーンが死亡。今年10月に開港予定のエイラットの国際空港には、イランと息子で軍事訓練中に事故死したアサフの名が付くことになっている。

2004年:アテネ五輪のセーリング競技にて、ガル・フリードマンがイスラエル人として初めて金メダルを獲得。

2005年:ヘブライ大学数学学部教授イスラエル(ロバート)・オーマンが、ゲーム理論を安全保障に応用した功績としてノーベル経済学賞を受賞。

2006年:赤十字社に相当するマゲン・ダビッド公社が、国際赤十字赤新月社連盟に認められ加盟。前年まで同連盟は赤十字・赤新月以外の標章を使用している団体の加盟を認めていなかったため、イスラエルのマゲン・ダビッド公社は正式加盟ができていなかった。

2007年:労働党議員ラレブ・マジャデレがイスラム教徒初の閣僚に就任。

2008年:モバイル端末用カーナビアプリ「Waze」がサービスを開始、ユーザー同士が混雑状況や警官の位置などのリアルタイムの情報を投稿・共有できる機能からイスラエルで爆発的な人気に。2013年にGoogleが同社を約11億ドル(1200億円)で買収した。

2009年:オムリ・カスピがドラフトで指名を受け、イスラエル初のNBAプレーヤーに。11シーズン目の今年もNBAプレーヤーとして活躍している。

イスラエル初の金メダリストとNBAプレーヤー― 2004・9年

wikimedia.org . one.co.il より)


2010年:1月にハイチで起こった地震を受け、国防軍のホームフロント・コマンド部隊が220人の医師・看護師と共に救援・医療活動を行う。

2011年:東日本大震災を受け、ハイチでも支援活動を行ったホームフロント・コマンド部隊と軍の医療チームが被災地入り。外国の医療団が現地入りするのは初めての事で、約2週間に渡って救助・救護活動を行った。また2001年に創設されたNGO「IsraAID」も、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の専門家やセラピストのチームを日本へ派遣し、こちらは数年に渡って東北で地域に根差した活動を続けた。

東北の被災地で少年たちとサッカーをするイスラエル軍兵士たち― 2011年

wikimedia.org より)


2012年:世界的な男性誌「マクシム(Maxim)」が毎年選出する「世界で最もホットな女性100人」にバル・ラファエリが1位に選ばれる。2010年代はモデルや映画界でイスラエル人女性が多く世界進出し活躍、その先駆者となった。

2013年:ユダヤ教超正統派政党シャスの精神的リーダーで、イスラエルのセファラディー系チーフラビも務めたオバディア・ヨセフが死去。葬儀には約80万人が集まり、その中には世俗派のユダヤ人も多くいた。

2014年:イスラエルが世界最大規模の素粒子物理学の研究所、欧州原子核研究機構(CERN)のメンバー国に。イスラエルは現在、科学者や科学技術者の数が人口1万人あたり140人と世界一。

2015年:イスラエル・スタートアップの年間買収額が1兆円を突破、世界有数のスタートアップ大国に。日系企業も数年前の約30倍、約52億円をイスラエルのスタートアップへと投資した。(全て公開案件のみ)

2016年:WHO(世界保健機関)の各国の野戦病院ランキングでイスラエル国防軍(IDF)が1位に。イスラエル国防軍は、世界で初めてWHOが規定した最も厳しい「タイプ3」をクリア。

2017年:元ミス・イスラエル、ガル・ガドットがアメコミ史上初のスーパーヒロインの単独主演映画「ワンダーウーマン」に主演し、世界中で大ヒット。女性監督作品および女性が主役のアクション映画として累計興行収入歴代1位の作品となった。


参考:https://www.israel21c.org/70-years-of-israeli-achievement/

「バラガン」とはごちゃごちゃや散らかったという意味のイスラエルで最もポピュラーなスラングです。ここでは現地在住7年のシオンとの架け橋スタッフが、様々な分野での最新イスラエル・トピックをお届けします。



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