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凧によるテロのヒントは日本から?2018.7.21

(Jerusalem PostThe Times of Israelより)


ここ3か月間、イスラエルはパレスチナ側の「新兵器」に頭を悩ませています。
それがガザから飛ばされた凧による火災被害です。これは私たちがお正月に飛ばした凧に火炎瓶などの発火物をくくりつけ、風下に当たるイスラエル側に向かって飛ばすというもの。この兵器は特別な訓練を必要としないため、ハマスは凧の作り方を一般に公開し一般市民や子供たちにも「凧によるテロ」を推奨しています。
一見原始的な方法だと思われるかもしれません。しかし7月中旬までの約100日間で数百の凧がイスラエル領内に侵入し千件近くの火災が発生、600ヘクタール以上の農地を含む約35平方キロメートルが焼失しています。これは東京ドーム約750個に相当し、農家を中心に被害総額も数億円に上っています。国防軍は凧に対する追撃機能を搭載させたドローンを開発・配備し、現在までで百以上の凧を農耕地の外に撃墜したようですが飛来する凧のペースに追い付かず、イスラエル側は確かな解決策を見つける事ができず消火活動に終始しています。

(HaaretzThe Eli Panker氏より)


そんななか「今回の凧によるテロの裏には日本の存在があるのでは」との声がちらほらと上がっています。というのも凧の襲来が始まる2週間前の3月13日、ガザのハーン・ユーニスでJICAと日本のNGOが協力し東日本大震災から7年を迎えるにあたり「ガザから東北へエールを」というスローガンのもと、凧揚げ大会が行われていたのです。そのイベントでは1000人を超えるパレスチナ人が凧揚げを楽しんだと報じられています。
この凧揚げイベントは2016年にも行われたようですが、今年のイベントから半月後に突然凧が新兵器として登場した事を受け評論家の間では「日本人から教えてもらった凧の作り方と飛ばし方から、凧に火炎瓶や火のついた炭を括り付けてイスラエルの農作地を燃やすというテロ行為の発想を得たのでは」と推測されているのです。直接的な因果関係は証明できません。しかしJICAが行った凧揚げ大会で、風に乗ってイスラエル側に飛んで行ってしまった凧をハマスやイスラーム聖戦のメンバーが見て、「これに発火物を付けてイスラエルに飛ばせたら…」というインスピレーションを得たというのは時系列的にも十分考えられるかと思います。


その後の3か月間(7月初めの段階)でハマスは、凧や風船を飛ばす放火テロやその他のガザ国境部でのデモや暴動に計4500万ドル(約50億4000万円)の資金を投資しています。また5月にはイスラエルから送られた、医療器具・医薬品などの人道支援物資の受け取りを拒否したというニュースもありました。
ハマスが実効支配しているガザ地区の人口は約200万人、そのうちの67%が貧困状態のなか暮らしており、電力供給は2~4時間に制限され飲み水の97%が汚染されています。このようなガザの現実を踏まえ、テロに利用された50億円がガザ市民を考えた最適な使い道だったのか― 国際社会は冷静に考え、ハマス政府に対して疑問を呈するべきではと思います。


東北へのエールの凧がイスラエルへのテロの凧になったのだとしたら、日本人としては本当に悲しい限りですし、イスラエルに対して申し訳ない気持ちです。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)からの人道支援物資をイスラエル襲撃のためのトンネル建設に、日本へのエールの凧をテロ兵器に使用するハマス。このような報道されないニュースが日本でも報道され、パレスチナ問題に対してバランスの取れたスタンスが広がる事を願い・祈りたいと思います。

「バラガン」とはごちゃごちゃや散らかったという意味のイスラエルで最もポピュラーなスラングです。ここでは現地在住7年のシオンとの架け橋スタッフが、様々な分野での最新イスラエル・トピックをお届けします。


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