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イスラエルについて

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バラガン・コラム-イスラエルあれこれ

WBCでのイスラエル旋風を『現地』から見る

WBC公式ツイッター」より

前評判を覆しての日本の3連勝や韓国の1次ラウンド敗退も大きなニュースになりましたが、今のところ今大会1番の驚きは1次ラウンドを3連勝で通過した世界ランキング41位のイスラエルだと思います。代表選手のほぼ全員がマイナーリーガーという事もありダークホースとして挙げられることはありましたが、ここまでの快進撃はまさに予想外でした。そんな韓国・オランダ・台湾という強豪国を破るというジャイアントキリングに、最も衝撃を受けているのが地元イスラエルです。


というのもこちらではスポーツと言えばまずサッカーかバスケットボールで、野球はルールさえ知られていないようなマイナースポーツ。なのでWBC開幕前には全くニュースになっていませんでした。そんななか初戦で世界ランキング3位の韓国を破るというサプライズを起こすと、 連勝で迎えた第3戦ではクリーンアップにメジャーリーガーが揃うオランダにも勝利。 全勝で1次ラウンド通過を決めると、現地イスラエルのメディアでも史上初の快挙と して取り上げられるようになりました。いまイスラエルでは史上初めて野球というス ポーツが話題になるという「歴史的な出来事」が起こっています。


しかし日本のメディアでも報じられているようにWBCイスラエル代表のほぼ全員がイスラエル国籍を持たないユダヤ系アメリカ人。そんな事実もあるためかイスラエルでは、試合内容や結果以上に話題となっているのが「彼らは私たちの代表なのか?それとも何ら関係のないアメリカ人の寄せ集めなのか?」という問題。イスラエル大手紙イディオト・アハロノトの行った調査によると、7割弱が自国の代表として温かく見ている反面、3割の回答者が否定的な回答をしており、ある大手紙でも「彼らはヘブライ語で挨拶もできず国家も歌えない。ユダヤ人ではあるがイスラエル人ではないのだから、国の代表として応援するのはいかがなものか」というようなコラムが見られるなど、意見は割れています。


そんなイスラエル国内の世論を受けジェリー・ウェインスタイン監督は取材に応じ「私の願いは10年後、イスラエル人の監督とイスラエル人の選手を連れて再びここに戻ってくることだ。いま私たちには野球をイスラエルで普及させるという使命が与えられている。(2次ラウンドで)私たちが野球大国であるキューバや日本に善戦するという事だけでイスラエル国内の野球に対する関心を高められるのだ」と述べ、イスラエルのために戦っていると強調しました。また未だに反ユダヤ主義の風潮が残るアメリカ社会にも触れ、ユダヤ人という民族的アイデンティティーを共有する仲間が集まり自らのルーツであるイスラエルのため、一丸となってプレイする機会は特別なものなので1試合でも多く試合を続けたいと意気込みを語ってくれました。


国家斉唱時に宗教的民族衣装であるキッパを被る選手たちのビデオをアップし代表を激励するネタニヤフ首相

公式ツイッター」より

またオランダ戦で先制のタイムリーツーベースを放ったファーストのフレイマン(レッドソックス=マイナー契約)も、「世界の前でイスラエルやユダヤ人の代表として戦えるという事は特別で大変な名誉だ。私たちの世代がイスラエルでベースボールの種を撒くパイオニアになりたい」とインタビューに答えました。


イスラエル以外に住んでいるユダヤ系の人たちはやはり心のどこかでユダヤ人としてのアイデンティティーを持っており、イスラエルと聞くと特別な感情を持つ人は多いです。またプロ野球選手のなかでユダヤ系はまだまだマイノリティなため、グラウンドで見かけるとお互いに必ず挨拶するなど日頃から仲間意識があります。そんな彼らが1つになってユダヤ人のシンボルであるダビデの星を胸に付けプレーする、これは他の代表国とは違う強い結束力です。そのうえ祖国であるイスラエルにベースボールを根付かせるという使命感も持っているのですから、代表としてのモチベーションはかなり高いのだと思います。


2次ラウンドのためメジャーキャンプに参加している選手を2人招集したイスラエル代表。「WBC史上最大の番狂わせ」はどこまで続くのか、侍ジャパンの戦いと共に目が離せません。


渡り鳥の楽園イスラエル

Agamon Hula より

現在世界には約500億羽の渡り鳥が生息していますが、ここイスラエルは世界有数の渡り鳥の中継地となっており、毎年約5億羽もの渡り鳥が飛来します。北ヨーロッパ、中央・東ヨーロッパから、コーカサス地方などユーラシア大陸から大量の渡り鳥が越冬のためにアフリカ中部に渡るのですが、その多くがイスラエルを休息地または越冬の地としています。

Agamon Hula より

そんな渡り鳥の主要な中継地となっているイスラエルですがその多くがイスラエル北部のフラ湖で羽を休めており、近年はフラ湖の環境改善や気候の変化などによりツルやペリカン、鵜などの大群が飛来するようになっています。


フラ湖の国立公園によると先週、約45,000羽のツルの大群と11羽のフラミンゴが確認されたようです。フラ湖で観察を続けている学者はツルたちは3月中旬までフラ湖周辺で越冬し、春先になるとヨーロッパに戻っていくだろうと話しています。

Agamon Hula より

そんな多くの渡り度が立ち寄るフラ湖ですが、実は自然にできた天然湖ではありません。1950年代までは天然湖だったフラ湖と湿地帯がこの地域に広がっていたのですが、農業用地を確保するため大規模な干拓が行われフラ湖はなくなってしまいました。しかしその結果多くの植物・動物が姿を消し固有種が絶滅し、また干拓事業後に行われた調査でフラ湖跡が農地として適していない事が分りました。そこで90年代初頭からフラ湖とその自然を復元する国家プロジェクトが立ち上がり、現在ある小さな人工湖としてのフラ湖が誕生しました。そして人の手によって徐々に自然の姿が戻ってきつつあり、現在世界の有数のバードウォッチングの場所として知られるまでになっています。

現在フラ湖には野鳥や自然保護の研究者たちが海外から数多く訪れ、イスラエルの研究機関と共同でリサーチや自然保護のための意見交換や技術開発が活発に行われています。イスラエルにリサーチのために来る学者と聞けばどうしても宗教・歴史というお堅い学問か、パレスチナ問題を扱う国際関係や難民研究の学者というイメージがどうしてもあると思います。 なので野鳥研究や自然保護・復元という学術分野でさらにイスラエルが知られるようになり、ガザや紛争などではなくフラ湖の美しい鳥を撮りにより多くのカメラマンやメディアが来る事を願っています。

Agamon Hula より

最初の1週間に見るトランプとイスラエル

在イスラエル・アメリカ大使館

Agamon Hula より

就任して1週間が経ったトランプ新大統領。オバマ前大統領時と比べると圧倒的に少なかった就任式の参加者を「過去最高の人数だった」と豪語したり、メディア批判を早々から展開したりと世界に話題を振りまいています。今回は26日のFOXニュースで大統領がイスラエルに関する発言を行ったので、それを中心にトランプ氏の対イスラエル関係を見てみようと思います。


パレスチナ問題については意外と穏健派かも・・・

さて日本ではあまり知られていませんが、トランプの外交面でのマニフェストの1つに現在テル・アビブにある在イスラエル・アメリカ大使館をエルサレムへ移設するというのがあり、これには就任前からアラブ諸国が強い懸念を示すなど、対イスラム国(IS)と並んでトランプの中東外交における重要なポイントとなっています。そんななかトランプ氏は26日、保守的・共和党寄りのFOXニュースのインタビューに応え、イスラエルとの協調関係を強調する一方「大使館のエルサレム移転については時期尚早であり、現在の段階で話すことはない」と発言、慎重な態度を見せました。今週初めにはスパイサー米大統領報道官が会見で「意思決定するための初期段階であって未だ決定事項ではない」と記者の大使館移転に対する質問に答えており、トランプ政権がエルサレム移転を強硬に進めようとしている訳ではないというのが見えてきました。

実は就任直前、トランプ氏はイスラエルの無料紙イスラエル・ハヨムに対し「エルサレムについての約束(=大使館移転)についてもちろん忘れたわけではない。私は約束を破るような人間ではない」と話していたようで、イスラエル国内では親トランプ派(タカ派)の政治家やジャーナリストを中心に「結局は歴代の共和党の大統領が行ってきたリップサービスか」と批判の声が上がっています。また最近報道されたパレスチナ自治区に対する2億2000万ドル(約250億円)の支援を打ち切る方針だというニュースに対しては、「これからどうなるかが見えてくるだろう」との発言に終始し、明言を避けました。これに関しても、トランプ政権になって親イスラエル政策の期待を膨らませていたイスラエルの関係者たちからは落胆の声が。 過激な発言が売りという事も手伝って、就任後すぐに大使館をエルサレムに移しパレスチナ自治区への援助も停止するのではという予測もありましたが、意外と現実的な中東外交を進める「標準的な共和党の大統領」となるのかも知れません。選挙期間中から、アメリカ史上最も親イスラエルな大統領になるのではという声が強かった分、これから中東では良くも悪くも「意外と穏健な大統領」として映っていくかもしれませんね。 (トランプ大統領とイスラエル・ユダヤの関係はこちら


「トランプの壁」のモデルはイスラエル?

このFOXニュースのインタビューでトランプ大統領はメキシコ国境に壁を建設するマニフェストにも言及、アメリカはイスラエルに学ぶべきという発言をしました。「安全保障のためには壁が必要なのだ。イスラエルに聞いてみるとよい。彼らは大量の不法移民という問題に直面していたが、壁を建設した結果99.9%防げるようになった」と述べ、イスラエルを引き合いにメキシコとの国境に壁を建設し不法移民取り締まりを強化する姿勢を明確にしました。

大統領がここで言及した分離壁とは西岸地区のものではなく、2013年にエジプトとの国境にイスラエルが建設した壁・フェンスのことです。内戦の続く北スーダンやエリトリアを中心にアフリカ諸国から、半年間で約1万人の移民がエジプトから不法にイスラエルに入国していましたが建設後は半年で34人と激減、アフリカからの不法移民の流入を防止できるようになりました。この成果からトランプ氏は、メキシコ国境の壁について語る際にはたびたびイスラエルを見本とするというメッセージを、大統領選中から発し続けてきました。

現在イスラエル内のガザとヨルダン国境部には、様々な侵入感知センサーを取り入れたスマートなフェンスが設置されており、開発したマガール社のオーナーもトランプの壁に自社のフェンスをと売り込みをしている様子です。そうすると国境の壁と言ってもフェンスとなり、トランプ大統領が公約し私たちがイメージしていた「万里の長城」とはかなり違う「普通によくある国境のフェンス」になるのかも知れません。

現在のエジプト国境部のフェンス(左)とマガール社の開発しているフェンス(右)

commons.wikimedia.orgveeconmagal-s3.com より


今後どうなるか分かりませんし、トランプ氏は実際に大使館をエルサレムに移し宇宙からも見える万里の長城をメキシコ国境に本気で建設するのかも知れません。しかし就任から1週間での感触は過激な発言は残っているもののマニフェストの過激さは少し丸みを帯び、イスラエルの狂信的なトランプ支持者やタカ派の間では、期待外れ感がすでに広がっているようです。


エルサレムの観光地でトラックが突っ込むテロ

日本のメディアでも報道されたように1月8日の正午ごろ、エルサレム南東部のアルモン・ハナツィブ(Armon HaNetziv)にてパレスチナ人の運転したトラックがバス停にいたイスラエル兵部隊に突っ込み、4人が死亡し13人が負傷しました。テロリストはイスラエルのID(身分証明書)を所持している東エルサレム在住の男性で、当日近くをトラックで走行中イスラエル兵の一団を発見し、方向を変えアクセルを踏み猛スピードでバス停へと突進、その後再びバックし兵士たちをもう一度ひきました。テロリストはその後射殺されました。


こちらが防犯カメラに映ったテロの様子です。バス停には大型バスが停車しており兵士たちが下車しているところにトラック突っ込していった様子が分かるかと思います。テロ現場のすぐ近くには展望台を兼ねたプロムナードがあり、オリーブ山と並んでエルサレムを一望できるスポットとして知られています。

テロ現場の様子


防犯カメラの後ろ側には旧市街・新市街が並んだ景色を眺めることが出来、セグウェイでプロムナードを1周するツアーなども企画されるなど海外からの観光客を中心に名所として賑わっていました。

gojerusalem」より


オリーブ山は東エルサレムのアラブ人地区という事で治安の問題もあるため、こちらのプロムナードの方が団体旅行などでは頻繁に使われています。しかし今回のテロを契機に、しばらくは観光客がほとんどいなくなりそうです。

テロリストの家族は事情聴で本人はハマスやISとの関連性を否定し、ハマスやイスラム聖戦も今のところ犯行声明を出してはいません。しかし今回のテロを受けてガザは祝福ムードに包まれ、ハマスの指導者たちがガザの中心部で演説しシオニズム(イスラエル)への徹底抗戦とそのための殉教者(シャヒード)となる事を民衆に呼びかけました。


またイスラム過激派はガザの街でキャンディーを配ったり、ツイートやSNSを通じてテロリストな英雄的な行動を称えていました。
以上、(短いですが)現地エルサレムからお伝えしました。


ツイッターとYoutubeから見たハヌカ・ハイライト

あけましておめでとうございます。
イスラエルでは年末年始ムードはほぼゼロでしたが、元日の日没とともにハヌカも終わり子供たちもハヌカの休暇から学校に戻るなどこちらも「通常運転」に戻りました。さて、前回 はハヌカの背景や風習についてお話ししました。今回はイスラエルを中心にハヌカが実際どのように祝われたかについて写真と一緒に紹介したいと思います。

まずはこちらの写真。

ベニヤミン・ネタニヤフ公式ツイッター」より

ハヌカ前日の12月23日に入植地を違法とする国連安保理事会の決議案が採択されていました。その2日後にネタニヤフ首相は嘆きの壁でハヌキヤへの点灯式を行ったのですが、自身の公式アカウントに写真をアップし「国連の決議を踏まえて、ハヌカ2日目の火を灯すのに西壁以上に最適な場所はなかった」とコメントを発表しました。

ハヌカの間、ハヌキヤへの点灯の様子をツイッターに投稿したのはネタニヤフ首相だけではありません。大統領を務めるルーベン・リブリンもハヌカの8日間イスラエル各地を巡り、ハヌキヤの点灯を行いました。その中で最も印象的だったのが、世界的にも有名なイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団創設80周年コンサートで行われたハヌキヤへの点灯です。


まず大統領が司式者として祝福をし、ハヌキヤに点灯。そしてハヌカを代表する讃美歌「マーオーズ・ツール(意:岩の上の砦)」を観客と一緒に合唱し、その後はオーケストラによって同曲が演奏されています。
オーケストラが奏でる重厚なハヌカの曲もなかなか素敵ですが、実はこの映像で最も豪華なのがこの日の指揮者を務めた巨匠、ズービン・メータでした。クラシック好きな方はご存知かも知れませんが、彼はウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを5度指揮したり初の三大テノール・コンサートを指揮したりと、まさに現代の巨匠。2011年春には震災で多くのコンサートがキャンセルとされたなか来日し、NHK交響楽団を指揮しニュースにもなりました。
そんなマエストロがなぜイスラエル・フィルを指揮しているのでしょうか。あまり知られていませんがメータ自身が親イスラエル主義者だったため、半世紀以上前からイスラエル・フィルを何度も指揮し、81年には終身音楽監督に任命されたようです。80歳となった現在も世界中を演奏旅行で飛び回りながら、イスラエルでも積極的に活動しているそうです。

ハヌカ中、政治家たちだけでなくイスラエル国防軍でもハヌカ関連のツイートが多く見られました。

国防軍公式ツイッター(ヘブライ語)」より

これはヘブライ語のイスラエル国防軍公式ツイッターです。現在はハヌカも終わって右側のような通常のトップページに戻っていますが、元日までの8日間は左のようにハヌキヤとスフガニヤをあしらったハヌカ仕様のエンブレムになっていました。

またハヌカ中の8日間、何度かハヌキヤに光を灯す兵士たちの写真が投稿されていました。

ハヌカを祝う若い国防軍の兵士たち

IDF公式ツイッター(英語)」より

左側がハヌカ初日のハヌキヤ点灯を行う民間防衛軍の女性兵士です。イスラエルの民間防衛軍と日本にはあまり知られていない関係があります。2011年の東日本大震災では20を超える支援チームが海外から被災地を訪れたのですが、最初にチームを派遣したのがイスラエルでした。その時に派遣された特別支援チームとは、医師たちで構成される医療部隊と写真の彼女が所属する民間防衛軍の合同部隊でした。
右側の写真はうってかわって哨戒艇でハヌキヤを準備する海軍兵たちの写真。国防軍の中(陸・空・海)の中で海軍は最も小規模ではありますが、建国時から白い礼装という伝統が続いておりイスラエリーの間では「軍服(=礼装)が最も格好良い軍隊」として知られています。写真の彼らは南部アシュドドでガザ沿岸での任務に就く部隊です。

さてここまではイスラエルでのハヌカの様子を紹介しましたが、もちろんイスラエル以外の場所でもハヌカは祝われていました。過去のコラムではイヴァンカ・トランプの夫がユダヤ人で結婚前にイヴァンカがユダヤ教に改宗したことをお話ししました。ハヌカの期間中、彼女のツイッターでは一家でハヌキヤに火を灯してハヌカを祝う様子が何度かアップされており、父ドナルド・トランプ次期大統領も12月24日のハヌカ初日に「ハッピー・ハヌカ」の投稿をしていました。

イヴァンカドナルド・トランプ公式ツイッターより

このハヌカに関するトランプ一家のツイッターがアメリカを中心にちょっとした騒動になっていました。
トランプ氏はその過激・排他的発言から保守的なキリスト教層やネオ・ナチなど人種差別的な人口層を強力な支持基盤としています。選挙戦中のある演説でトランプ氏は「メリー・クリスマス」に代わり、他宗教に対する配慮から「良い祝日を(Happy Holidays)」という挨拶が一般化しているアメリカの現状に苦言を呈し、「オバマは『良い祝日を』と8年間言ってきたが、私は恥じる事無くどこでも『メリー・クリスマス』と言う」と発言、メリー・クリスマスを復活させるという公約を打ち出していました。そんななか実際に12月24日になると愛娘はクリスマスではなく(ユダヤ教なので)ハヌカを祝い、トランプ自身も「メリー・クリスマス」のツイートをする前に「ハッピー・ハヌカ」の投稿をしました。
これに対して保守的・人種差別的なトランプの熱狂的支持者たちから、公約と違うではないかと批判を浴びています。就任前にして支持者離れが早くも懸念されているトランプですが、ネオ・ナチや反ユダヤの支持層を抱えながら一家にユダヤ人がいるというねじれた状況のなか、就任後はさらに難しいかじ取りを迫られそうです。


今回はイスラエルとトランプ一家を中心にクリスマスと同時期にあったハヌカという祭りが実際どのように祝われていたのかを紹介しました。さてユダヤ人にとって次の祭りは3月初めにあるプリムと言われる仮装の習慣がある祭り。また時期が近づけばバラガン・コラムでプリムの紹介をしたいと思っています。


ユダヤ人のクリスマス?-ハヌカ

旧市街もハヌカ・ムードに…

www.israel21c.org」より

世界中がクリスマス・ムードに包まれている中、実際にイエスが生まれたここイスラエルではクリスマスというよりハヌカ・ムードに包まれています。ハヌカ(חנוכה)は奉献という意味で、紀元前2世紀にユダヤ人がギリシャ人から神殿を奪還したことを記念したお祭り。ユダヤ歴で前後はしますがクリスマスとだいたい同じ時期に祝われています。
今回のバラガン・コラムではユダヤの冬の祭り、ハヌカについて紹介したいと思います。


■ 歴史を祝うハヌカ

紀元前332年にアレクサンダー大王がイスラエルを征服してから約2世紀間、イスラエルはギリシャ帝国(セレウコス朝)の支配下にありました。中東全体にヘレニズム文化が広がりユダヤ人たちも影響を受けましたが、偶像崇拝を強要されることもなくユダヤ教も認められたため、イスラエルでは比較的安定した時期が続きました。しかし紀元前2世紀に入ると、エジプト・プトレマイオス朝の他にもローマが台頭しセレウコス朝は苦戦を強いられていきます。そんななかついにローマとの戦争に敗れ多額の賠償金を払う事となりました。セレウコス朝の権威は失墜、王朝は財政難に陥り資金工面のためユダヤを含む属州への財政的・政治的介入を強引に進めていきました。そしてついに紀元前167年、セレウコス朝の王アンティオコス4世は祭りや安息日、割礼などユダヤ教を全面的に禁止し、エルサレムの神殿は強制的にゼウスの神殿となり、ゼウス崇拝を強要しました。
禁教令をうけイスラエルに住むユダヤ人たちの間でギリシャ王朝に対する不満が爆発、祭司家系のマカバイ家を中心に反乱がついに起こりました。このマカバイ戦争は約7年間続きましたが、ローマからの支援などもありセレウコス朝からついにエルサレムを奪還。すぐさまゼウスの祭司を追放し祭壇も撤去、異教に汚されていた神殿を再び聖書の神に奉納(=ハヌカ)を行いました。
これがハヌカと呼ばれる祭りの歴史的背景です。

マカバイ戦争-セレウコス朝は重装歩兵に加えて戦象を用いたとも言われている。

jewishcurrents.org」より

■ 光の祭りハヌカ

歴史的背景があるものの、もしユダヤ人に「ハヌカの祭りって?」と聞けばほぼ全員から「ユダヤ教の光の祭りだよ」という答えが返ってくるでしょう。それは神殿を清めた奉献時のエピソードに由来しています。
ギリシャ帝国に勝利しエルサレムに入場した時、神殿の聖油はギリシャ人の手によって汚されており、残っていた聖油はたった1日分でした。神殿で使われていた聖油はオリーブを搾った時の1滴目のみを集めた、まさにエクストラ・ヴァージン・オイル。準備にかかる時間が1週間で、残りは1日分ですから絶対的に聖油が足りません。しかしマカバイ家の祭司たちは1週間待たずに奉献式を行い神殿での燔祭を始めました。するとたった1日分しか残っていなかった聖油が奇跡的に8日間も持ち、無事新しく精製された聖油も届き神殿の火が絶える事はありませんでした。
というのがハヌカと聞いた時、ユダヤ人がまず頭に浮かべる奇跡のエピソード。この8日間聖油が持ったという奇跡から、ハヌカの8日間は「ハヌキヤ(ハヌキア)」と呼ばれる特別な燭台に毎晩火を点すのが習慣となっています。ハヌキヤにはろうそくを立てる部分が9つあり、これは種火+聖油が尽きなかった8日間となっていて、1日目は種火と1本目、2日目は種火と1・2本目と日が経つごとにろうそくを1本ずつ足して火を点けていきます。こうして最後の8日目には9本すべてに火が灯されるという訳です。
これはユダヤ人ならだれもが知っている常識ですが、実はこの聖油の伝承が最初に登場するのがマカバイ戦争勝利から650年も経った6世紀だというのはあまり知られていません。また、ハヌカがろうそくに火を灯す「光の祭り」として確立されたのも、ヘロデがイスラエルの王だった紀元前1世紀または紀元1世紀だと考えられており、これも意外と知られていない事実です。
それまでのハヌカはギリシャを倒し神殿を奪還したという歴史の出来事を祝う祭りで、光の祭りという要素は全くありませんでした。ではなぜ歴史を祝うハヌカが100~200年も経ってから「光の祭り」へと変化を遂げたのでしょうか。

エルサレム旧市街にてハヌキヤに火を灯す子供たち

www.israel21c.org」より

■ ハヌカはいつから「光の祭り」に?

そのヒントは当時イスラエルを治めていたヘロデ大王と彼が持ち込んだ古代ローマ文化に隠されています。古代ローマでは農業をつかさどる神への農耕祭(サートゥルナリア)が12月17~23日までの1週間祝われていました。もともとは収穫を祝うお祭だったのですが、紀元前1世紀以降、冬至に近いことから「光の祭り」としても祝われるようになりました。
当時イスラエルを統治していたヘロデ大王はユダヤ人心理に配慮しながらもローマ文化を積極的に取り入れ、エルサレムをはじめユダヤ全土が次々とローマ化していきました。そんな「ローマナイズ」されたヘロデ王の時代に、ローマの光の祭りという要素がユダヤ人のハヌカに取り入れられた、または2つが融合したのではと考えられています。
これはハヌカの歴史的意味からも推測できます。もともとハヌカとはマカバイ家の勝利を祝った祭りでした。そしてヘロデはマカバイ家を滅ぼした張本人です。ですからヘロデ王朝の紀元前後にイスラエルでハヌカを祝うのは、まるで江戸時代初期に豊臣秀吉の天下統一を祝うようなもの。ユダヤ人にとってマカバイ家勝利の祭りであるハヌカを祝うことは悲しく・皮肉めいたものであり、同時にマカバイ家を自らの手で葬ったヘロデにとってハヌカの祭り自体が許し難く、また祭りからマカバイ家の支持者たちが反乱を再び起こす可能性も十分考えられました。そこでヘロデは民衆の人気を集めるため豪華絢爛なエルサレム神殿をローマ建築を用い再建しました。この神殿はマカバイ家の時代の約2倍の敷地面積を誇り、当時のローマ帝国でも有数の巨大で豪華な神殿と知れ渡る事となりました。そしてその神殿の奉献の式典を、マカバイ家と同じハヌカの日に行いました。
こうしてマカバイ家を祝うハヌカは風化し、ヘロデ神殿の奉献とローマ文化からの冬至を祝う「光の祭り」として祝われるようになりました。しかし6世紀になるとユダヤ人の間で奇跡的に聖油が8日間なくならなかったという説話が広まり、再びハヌカはマカバイ家勝利の歴史を祝う祭りと光の祭りという2つの顔を持つ祭りとして現在の形になりました。

再現された古代ローマの農耕祭サートゥルナリア(イギリス・チェスターにて)

www.chesterchronicle.co.uk」より

■ ハヌカのもう1つの顔―ハヌカ太り?

時が経ち中世になると、聖油がなくならなかったという奇跡を記念して、ヨーロッパのユダヤ人を中心に油で揚げたものを食するという習慣がハヌカの新しい伝統となりました。現在でも、ハヌカの間は各家庭で揚げ物を中心とした高カロリーな食事が食べられています。
そんなハヌカの代表的な食べ物のが「レビボット(ラトゥケス)」と呼ばれるつぶしたじゃがいもやニンジンなどを小麦粉でつないで揚げたもの。朝マックのハッシュドポテトに野菜が少し入っている感じの味で、サワークリームを塗っていただきます。

もう1つがジャム入りのドーナッツに似た「スフガニヤ」。イスラエルではこのハヌカで食べられるスフガニヤの影響かドーナッツがあまり浸透しておらず、年配の方々はドーナッツを「アメリカ風スフガニヤ」と呼ぶくらいです。伝統的なスフガニヤは中がキャラメルソースやイチゴジャムとシンプルなのですが、最近はパティシエとのコラボなどでより凝ったスフガニヤなども売られるようになりました。
私のおすすめはカフェ「ROLADIN」で売られているスフガニヤ。写真にもあるようにカラフルなラインナップで、上段の4つにはスポイトがついています。これは中にソースを注入していただくという特別なスフガニヤ。大人にはその上品な味が、子供にはスフガニヤのソースを自分で中に詰めるというアトラクションが人気を博しています。毎年ハヌカの前には日本のおせち紹介のように、各ベーカリーやパティスリーのスフガニヤがメディアで紹介されています。統計によれば祭りの期間だけで2400万個のスフガニヤがイスラエル内で食べられ、ユダヤ人にとって「スフガニヤ抜きのハヌカ」はあり得ないみたいです。
そんな揚げ物・スフガニヤ三昧の結果、イスラエルでは日本の正月太りならぬ「ハヌカ太り」が。。。毎年メディアではスフガニヤ紹介とともに「スフガニヤを食べながらのダイエット特集」が組まれるなど、ハヌカは最も太ってしまう厄介な祭りでもあるようです。

「クリスマスを聖地で!!」と意気込んで来られた方はガッカリでしょうが、「クリスマス・ムードはもうたくさん」という方にはハヌカをお勧めしたいと思います。

ROLADINのスフガニヤ。右下の2つが伝統的なキャラメルとジャムのスフガニヤです。

food.nana10.co.il」より


イスラエル人バックパッカーがネパールで日本人を救助

容態が安定した杉山さんとリフシッツ夫人

Chabad House Thamel Kathmandu」より

先週世界的に有名なネパール中央部にあるアンナプルナ連峰で、イスラエル人バックパッカーのグループが岩石すべりの下敷きになっていた日本人登山者の命を救いました。

救助されたのは美術家・書道家の杉山あきほさん(40)で、標高約4500m地点を1人でトレッキング中突然の岩石すべりに遭い岩の下敷きになりました。その数分後に兵役を終えてネパールを旅していたイスラエル人のグループが通りかかり、助けを求める声を聞き下敷きになっていた杉山さんを発見。グループの1人がイスラエル国防軍の衛生兵だったため救助後に持参していた止血帯で緊急処置を行い、他のメンバーが衛星電話でカトマンズのハバッドハウス に連絡を取りました。連絡を受けたハバッドハウスのラビ・リフシッツが、すぐさま通報し数時間後に杉山さんはカトマンズの病院にヘリで緊急搬送されました。

救助現場に到着するヘリ

Chabad House Thamel Kathmandu」より

カトマンズ到着時は出血量が多量だったため極めて危険な状況でしたが、輸血により回復し容態も安定。現地のドクターはメディアに対し「救助者たちの正確な判断で彼女は一命を取り留め、足の切断も免れた」と語りました。

実は救助された杉山さん、トーラー・スクロール(律法の巻物)に書かれているヘブライ語文字とその書法に触れるため5年前イスラエルを訪れていたようです。回復後、搬送時から病院で付き添っていたラビ・リフシッツ夫妻に「救助していただいた方々に感謝しています。イスラエルとユダヤ人の事がさらに好きになりました」との言葉を伝えられたようです。

ちなみにこのニュース、イスラエルでは大手紙が報じていたのですが日本では全くニュースになってないようですね。こういうイスラエルに関するポジティブなニュースも日本で取り上げられればよいのですが…

イスラエルから見たイヴァンカ・ジャレッド夫妻の横顔―

安倍首相とトランプ次期米大統領

http://www.dailymail.co.uk/news/article-3948262/Japanese-Prime-Minister-Shinzo-Abe-leaves-Trump-Tower-meeting-Donald-Trump-Ivanka-Jared-Kushner.htmlより

さて、世界を驚かせたドナルド・トランプ氏の劇的勝利からしばらくたち、ニュースなどでは閣僚人事や政権移行チームについての報道が中心となってきました。そんなトランプ勝利後に注目を浴びているのが、氏の「秘密兵器」とも言われているこの2人-イヴァンカ・トランプとジャレッド・クシュナー夫妻。先日のトランプ氏と安倍首相との会談では夫妻で同席していたことが分かり、各国のメディアが「事実上のファーストレディーとトランプ氏一番の側近」と書き立てました。
今回はトランプ新政権でさらに影響力を増すことが予想されるこの2人を、イスラエル的視点でご紹介します。

この夫妻とイスラエル(またはユダヤ教)との関係は海外では選挙戦中から広く知られていました。日本でも最近報道され始めましたが、夫のジャレッド・クシュナー氏はユダヤ人で2009年の結婚前にイヴァンカ氏はニューヨークのユダヤ教正統派の学校で学び、ユダヤ教に改宗しました。キリスト教では洗礼を受けたときに洗礼名を付ける宗派も多いのですが、同様にユダヤ教でも改宗者にはヘブライ語の名前が付けられます。普段は「イヴァンカ・トランプ」ですが、シナゴグやユダヤ人の間では彼女は「ヤエル・クシュナー」と呼ばれています。
ジャレッド氏が正統派のユダヤ人家庭に育ったこともあり、彼女が改宗し結婚したあともコシャー(食物規定)やシャバット(安息日)などを宗教的なユダヤ人家庭として守っているようです。なので選挙戦中から忙しい2人ですが、金曜日の日没から土曜日の日没までの丸1日はシャバットになるので電話やパソコンの電源を切り仕事は全くしないそうです。エルサレム・ポストのインタビューにイヴァンカ氏はこう答えています。
「父(ドナルド・トランプ氏)も私たちとはシャバットの1日は連絡が取れないことにもう慣れました。長女のアラベラは正統派のユダヤ系幼稚園に通園し、私たちはとてもモダンでありながら伝統的な生活を送っています。この目まぐるしい世界で週に1日は家族団らんの時をゆっくり過ごすことは、宗教的価値を置いといても重要です。」

さて彼らが敬虔なユダヤ教の一家であるのが実際に分かる写真がこちら。

https://www.youtube.com/watch?v=wfKXlaCjgE8より

これは大統領選の投票日直前、11月6日に著名なラビの墓所で撮影されたビデオの1コマです。画質は悪いですがイヴァンカ・ジャレッド夫妻が超正統派の男性に連れられ、選挙戦での勝利を祈りにラビの墓へ向かう様子が分かります。この墓にはハバッド・ルバビッチ運動と呼ばれるユダヤ教超正統派の1派最後のラビ、メナヘム・シュネルソンが眠っています。20世紀を代表するカリスマ的なラビで死後20年以上経った今も、多くの信者がメシアとしての彼の復活を信じたり、多宗派のユダヤ教徒も祈りを捧げるために訪問したりと一大巡礼所になっています。
投票日前最後のシャバットが明けてすぐにここに来て祈りを捧げる様子からも、彼らが敬虔なユダヤ教徒である事が分かっていただけるかと思います。
こんな2人ですがアメリカ国内だけでなくトランプ政権の外交でも重要な役割を担っていくかもしれません。日本では安倍首相との会談後に「イヴァンカ氏が駐日大使になるのでは」というようなニュースがあったようですが、海外メディアはジャレッド氏が中東でのトランプ外交のコンサルタントになるのではと報じています。
今週ニューヨーク・タイムズが行ったインタビューでトランプ氏は「イスラエルとパレスチナの間に平和をもたらせたらと思う。(和平を実現できれば)大変な偉業になるだろう。」と述べ、さらに「(中東の)地理や人々に明るく人脈もある彼が、イスラエルとパレスチナの間の和平実現のために働いてくれるだろう」と義理の息子であるジャレッド氏を中東和平のキーマンに指名する発言をしました。

ジャレッド氏ですがユダヤ教徒という以外にイスラエルとの関係はそこまで知られていません。しかし、ジャレッド氏の父親チャールズ・クシュナーは当時イスラエル国連大使を務めていたネタニヤフ首相と、80年代からの旧友でジャレッド氏も子供の頃から知っていたり、エルサレム市長のニール・バルカットとも友人の間柄であったり、イスラエルの在米大使とも親しかったりと、イスラエル側の要人とはかなりのコネクションを持っています。

中東和平の対話では、ユダヤ人だというだけでもアラブ諸国の反発を呼ぶためかなりのマイナス要素です。その上、イスラエル側の各要人との広い交友関係を持つジャレッド氏は一般的に考えて、どう見ても中東問題を任せるべき人物ではないように思うのですが… 来年からのトランプ政権でイスラエル・パレスチナがどうなるのか、注目です。

第2回:シャローム・アジア!―日本・イスラエル間の直行便?

調印式で握手を交わす富田イスラエル大使とカッツ交通相

http://www.ynet.co.il/articles/0,7340,L-4871038,00.html より

先月末、イスラエル政府は日本との新しい航空協定を締結しました。この協定は2000年の協議内容を 改定したもので、これによりテル・アビブのベングリオン空港と成田をはじめ国内にある国際空港との間で、週最大14便の直行便が就航可能になりました。


またこの協定にはイスラエルの航空会社は日本を経由地とした第3国への貨物便が、日本側も主にヨーロッパの航空会社とのコードシェア便でのイスラエル乗り入れが可能になる条項が含まれているようです。


今まで日本・イスラエル間の定期路線はありませんでした。唯一あった直行便は、イスラエル最南端エイラットに培養工場を所有する日建総本社が不定期に利用している、エル・アル航空のチャーター便でした。しかしこの協定を機に日本の航空会社のイスラエル就航の可能性が広がったと言えます。


今までも同じような話はたびたび出ていたのですが、日本・イスラエル間の定期直行便は未だ実現していません。しかし今年4月末には経済三団体の一つ経済同友会がイスラエルに大規模な派遣団を送り、日本経済界がイスラエルでの協業拡大に向けた取り組みを本格化させています。またその派遣団の団員の1人として日本航空(JAL)の取締役大西賢氏が参加しており、訪問時の現地イスラエルメディアの取材に対し直行便就航の意向を示していました。時期については明言していなかったようなので早期の就航が実現するかは不透明ですが、ついに日本・イスラエル路線が開通する日がついにやって来るかも知れません!


この日本・イスラエル間の協定締結のニュースと前後して、イスラエルはここ最近アジア各国との「空での連携」を強めています。


同じ週には香港のキャセイパシフィック航空が来年3月26日から、香港-テル・アビブ線を週4便就航すると発表しました。機材も最新機のエアバスA350型機と本気度がうかがえます。またインドの国営航空会社エア・インディアもテル・アビブへの直行便を来年中に開通することを発表しました。また先月からシンガポール航空がイスラエル路線就航について本格的に協議し始めたり、今年4月28日からは北京-テル・アビブ間で週3回、海南航空による直行便の路線が開通されたりと、イスラエルとアジアとの距離が今年に入って縮まってきています。


現在日本からイスラエルに行くには大韓航空やヨーロッパの航空会社の乗り継ぎを利用されているかと思いますが、やはり直行便のほうが疲れと時間のロスを最小限に抑えられます。往復のフライト計4回で2日間の移動時間を見なければいけないところが、直行便になると片道半日、往復で1日と現地滞在をより効率よく過ごせますし、乗り継ぎの大きな問題であるロストバゲージの可能性もほぼなくなります。


ぜひ近い将来、日本とイスラエルの間で直行便が開通してほしいものですね。


新しいイスラエルの「フライトマップ」?

http://www.ynet.co.il/articles/0,7340,L-4871113,00.html より


第1回:イスラエルも熱狂「ポケモンGO」

イスラエル最大の発行部数を誇る新聞イスラエル・ハヨムの記事、見出しは「こうすればピカチュウを捕まえられる」

https://www.facebook.com/IsraelHayom/photos/ より

現実世界に野生のポケモンが目の前に現れ、モンスターボールでゲットする―
20・30代の方の中には子供のころこんな夢を見た方もいるのではないでしょうか。そんな夢をスマホ内でかなえたゲームアプリ「ポケモンGO(Pokemon GO)」が今世界を熱狂させています。最初にリリースされたアメリカでは10日足らずでユーザー数でキャンディー・クラッシュを抜き「スマホゲーム最大のベストセラー」となり、現在世界で8500万人がプレイしておりリリースされた各国で社会現象化しています。
ポケモンGOの最大の特徴は、Googleマップ・GPSを利用しいろいろなところにポケモンが現れるという点です。イスラエルでは公式配信はまだなのですがミラーサイトからのダウンロードが相次ぎ、大手の新聞がポケモンGOに関するコラムや攻略法を報じるなど大きな盛り上がりを見せています。


そんななかイスラエルの大統領府にポケモンが出現しイスラエルで話題になっています。
Fecebookの公式ページに「誰か警備を呼ぶように…」というコメント共に投稿したのはルーベル・リブリン大統領本人。「公式配信前なのに大統領本人が海賊版をプレイしているのを公表するのはいかがなものか」などという批判的なコメントも見受けられますが、このユーモアある投稿に多くのイスラエリー(イスラエル人)が熱狂し投稿Facebookページへのいいねや訪問者が急増しています。


イスラエル大統領ルーベル・リブリン公式Facebookページより

https://www.facebook.com/ReuvenRivlin/photos より

さて、ポケモンGOに関する投稿をしたのは大統領だけではありません。
こちらはイスラエル海軍のFacebookページ内の投稿、ギャラドスに向かってモンスターボールを投げる海兵隊員の写真です。ポケモンGO内では陸地では陸の、海岸部では水タイプのポケモンが現れる事から投稿名は「私たちにしか捕まえられないポケモンがある」。ユーモアたっぷりな海軍のPRですね。


イスラエル海軍の公式Facebookページより

https://www.facebook.com/israel.navy/photos より


そんな海軍に呼応するようにこんな投降をしたのがイスラエル空軍。
ピカチュウが乗っているのはイスラエル空軍の主要戦闘機F-16で、ヘブライ語ではかみなりを意味する「バラック」という通称で呼ばれています。「かみなり」と言えば「10まんボルト」などと共にピカチュウの代表的なわざです。なので戦闘機の通称とピカチュウのわざを掛けて「皆がポケモンを探しているので、最強の『バラック(=かみなり)』を持っているのは誰なのかをはっきりさせたい」と投稿には書かれています。 海軍・空軍ともにポケモンGOをフル活用して面白い投稿をしていますね。

イスラエル空軍の公式Facebookページより

https://www.facebook.com/IsraeliAirForce.HE/photos より


大統領府やイスラエル軍をはじめ、今イスラエルではSNSや各種メディアでポケモンGOが毎日のように取り上げられ、多くの軍事基地・施設や警察ではセキュリティを考慮しポケモンGOのプレーを正式に禁止したりと、まさにポケモンが社会現象化しています。
筆者もついこの前テル・アビブに向かうバスに乗っていたのですが、初めて会ったであろう20代の兵士を含む数人が1時間中ずっとポケモンGOの話題に花を咲かせていたり、ヘブライ大学内の掲示板には「フラットメイト求む―月1500シェケル(約45000円)、大学から徒歩10分・徒歩圏内にポケストップ(モンスター/スーパーボールを入手できる場所)2つあり。」というような張り紙があったり、小学校時代以来のポケモンブームを遠いイスラエルの地で感じています。


「バラガン」とはごちゃごちゃや散らかったという意味のイスラエルで最もポピュラーなスラングです。ここでは現地在住7年のシオンとの架け橋スタッフが、様々な分野での最新イスラエル・トピックをお届けします。



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