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渡り鳥の楽園イスラエル2017.2.18

Agamon Hula より

現在世界には約500億羽の渡り鳥が生息していますが、ここイスラエルは世界有数の渡り鳥の中継地となっており、毎年約5億羽もの渡り鳥が飛来します。北ヨーロッパ、中央・東ヨーロッパから、コーカサス地方などユーラシア大陸から大量の渡り鳥が越冬のためにアフリカ中部に渡るのですが、その多くがイスラエルを休息地または越冬の地としています。

Agamon Hula より

そんな渡り鳥の主要な中継地となっているイスラエルですがその多くがイスラエル北部のフラ湖で羽を休めており、近年はフラ湖の環境改善や気候の変化などによりツルやペリカン、鵜などの大群が飛来するようになっています。


フラ湖の国立公園によると先週、約45,000羽のツルの大群と11羽のフラミンゴが確認されたようです。フラ湖で観察を続けている学者はツルたちは3月中旬までフラ湖周辺で越冬し、春先になるとヨーロッパに戻っていくだろうと話しています。

Agamon Hula より

そんな多くの渡り度が立ち寄るフラ湖ですが、実は自然にできた天然湖ではありません。1950年代までは天然湖だったフラ湖と湿地帯がこの地域に広がっていたのですが、農業用地を確保するため大規模な干拓が行われフラ湖はなくなってしまいました。しかしその結果多くの植物・動物が姿を消し固有種が絶滅し、また干拓事業後に行われた調査でフラ湖跡が農地として適していない事が分りました。そこで90年代初頭からフラ湖とその自然を復元する国家プロジェクトが立ち上がり、現在ある小さな人工湖としてのフラ湖が誕生しました。そして人の手によって徐々に自然の姿が戻ってきつつあり、現在世界の有数のバードウォッチングの場所として知られるまでになっています。

現在フラ湖には野鳥や自然保護の研究者たちが海外から数多く訪れ、イスラエルの研究機関と共同でリサーチや自然保護のための意見交換や技術開発が活発に行われています。イスラエルにリサーチのために来る学者と聞けばどうしても宗教・歴史というお堅い学問か、パレスチナ問題を扱う国際関係や難民研究の学者というイメージがどうしてもあると思います。 なので野鳥研究や自然保護・復元という学術分野でさらにイスラエルが知られるようになり、ガザや紛争などではなくフラ湖の美しい鳥を撮りにより多くのカメラマンやメディアが来る事を願っています。

Agamon Hula より

「バラガン」とはごちゃごちゃや散らかったという意味のイスラエルで最もポピュラーなスラングです。ここでは現地在住7年のシオンとの架け橋スタッフが、様々な分野での最新イスラエル・トピックをお届けします。



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